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2009年9月 4日 (金)

日本の悪習「野生動物への餌やり」

 9月2日のNHKニュースで大阪府箕面市で「市内に生息する国の天然記念物のニホンザルが増えてトラブルが深刻化しているとして、サルに餌を与えることを禁止し、違反した場合、最高で1万円の過料の支払いを求めるとする条例案を2日、議会に提案しました。」というニュースがありました。
 本来、野生動物は自然のままで生息できるのが最善なのです。「餌付け」は野生動物を野生から隔離する行為だと思います。ですから、諸外国では、「餌付け」はよほどの場合以外、していないと聞いています。動物保護は自然環境の中で自力で餌を取れるようにするということを基本としているようです。アメリカのイエローストーン公園で鹿を保護する目的でコヨーテなどの肉食獣を駆除したことがありました。そうすると、増えすぎて餓死するものができたとか。でも、餌付けはしなかった。カナダからオオカミを導入して生態系のバランスを元に戻すことで安定させたということです。
 生態系を安定されるのであれば、「餌付け」は間違いです。その副作用は、下北半島の北限の猿も農作物を荒らすようになりました。そのあたり一帯の猿すべてを恒久的に飼うような感じなら、「野生に近い」観察はできると思いますが、そうでない場合、「お金の切れ目が・・・」で、あとには人間慣れした動物が残り、農作物荒らしなどをするようになります。
 また、報道機関も人里に現れたたぬきなどへの餌付けを「美談的」に扱っていますが、認識不足も甚だしいと思います。
 野生棒物への餌やりは、野生動物の生活力を削ぎ、人間に頼ることでしか生きていけないようにすることです。そして、農作物などを食べるようになるのでしょうね。
 ニホンカモシカの食害は、植林で檜などの単一林にしてしまった人間に対する報復みたいなものでしょうね。どちらにしても、人間が原因を作って、野生動物を追い詰めているのです。

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